野球医学科&肩肘関節外科

 野球医学科は、野球によって生じたすべての医学的問題に対応することを目的としています。肩痛、肘痛、手痛、腰痛、下肢痛、しびれ、頭痛、不眠、練習参加困難、イップス、などの問題に対して、専門的診断治療を行います。

野球医学科&肩肘関節外科

20164月に開設された野球医学科&肩肘関節外科では、主に野球選手の医療に関するさまざまな問題の診断・治療・現場への提案を行うとともに、肩肘関節の疾患および外傷の診断・治療を行っております。
 

 2016年度の総延べ手術件数は66件で、肘23件、肩26件、胸郭出口症候群5件の手術を行いました。野球関係では、いわゆるトミージョーン手術(肘靱帯再建術)7件、肘頭偽関節2件、関節鏡下関節鼠摘出術3件、モザイクプラスティー6件などの肘手術と、1件の投球肩障害の手術を行っております。投球肩障害のほとんどは投球動作指導、新しいトレーニング理論指導などで復帰しており、手術に至る例は非常に少ないのが現状です。
 

 肘内側側副靱帯再建術は、術後1か月のギプス固定、2か月目までに肘可動域獲得、3か月目までにシャドーピッチング指導を行い、3か月でキャッチボールを開始しております。選手によって多少の差はありますが、68か月で試合復帰しています。当院では高分解能MRI診断の研究を行っており、手術適応の決定に寄与しております(日本臨床スポーツ医学会誌 in press)。
 

 肘離断性骨軟骨炎には膝や肋骨からの骨軟骨柱移植術や、骨釘移植術、遊離体摘出術を行っております。これも高分解能MRIで術中の不安定性や軟骨の亀裂の程度が診断可能で、手術術式の選択や適応の決定に寄与しております(英文誌投稿中)
 

 胸郭出口症候群に対しては、最新の4K内視鏡を用いて慶友整形外科病院伊藤先生、古島先生が発展させた肋骨切除と神経剥離術を行っています。この疾患では肘が痛いことや肩が痛いことが多く、診断が難しいことが指摘されております。これについてはMRIを用いた最大値投影法の研究を行い、診断精度の向上に寄与しております(日本整形外科スポーツ医学会誌2017)。
 

 肩肘関節外科では、関節鏡下腱板再建術や大阪医大三幡先生の考案した大腿筋膜を移植する関節包再建術を行っております。
 

 野球外来では、治療プログラムの一環として投球動作指導を行っています。詳しくは『野球医学の教科書』や『高校球児なら知っておきたい野球医学』に掲載されておりますのでご参考ください。
 

 野球選手の1/3程度に鉄欠乏性貧血を認め、相対的エネルギー不足の選手が数多くいます。これらは、集中力の低下、疲れやすい、動体視力の低下、身長の伸びの鈍化の原因となりますので、適切な検査を行い治療を行うことが重要です。
 

 そのほかに、『イップスの治療』『有鉤骨疲労骨折の手術』『腰椎分離症や腰椎椎間板ヘルニアの治療』も行っております。遠慮なくご相談ください。

『書籍』

月刊 ベースボールクリニック

『高校球児なら知っておきたい野球医学』

『野球医学の教科書』

『豪腕』