こわいいびきのおはなし

独立行政法人国立病院機構 西別府病院 統括診療部長:杉崎勝教

■その1.いびきと睡眠呼吸障害

大きないびきはお父さんの悪いくせと思っていると実はとても怖い病気が隠されていることがあります。 中高年の男性の30%にいびきが合併しますからいびき自体はよくみかけるもので必ずしも病的とはいえません。 しかし、大きないびきをかくヒトには睡眠時無呼吸症候群が隠されていることがあります。

■その2.睡眠時無呼吸症候群とは?

このような症状はありませんか?

このような症状はありませんか?

睡眠時無呼吸症候群の患者さまでは寝ている間に頻回に呼吸が止まってしまい脳が休息を取れなくなります。 そのためいくら寝たつもりでもその人には昼間の恐ろしい眠気がおそってきます。 これではまともな生活ができません。下手をすると業務災害や交通事故を起こしてしまい取り返しのつかないことになってしまいます。 また子供さんでは学業不良や非行の原因になったりします。


■その3.どうして睡眠中に呼吸が止まってしまうのでしょうか?

下の図を見てみて下さい。正常な方では鼻から入った空気はのどの奥の咽頭という所を通って気管に入り、 肺に送られます(左側)。しかし閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者さまではその咽頭の部分 (右側、黄色の○印)が極端に狭くなってしまい遂には閉塞して空気が通らなくなってしまいます。 そこで大きないびきが次第に苦しそうな狭窄音に代り、最後に呼吸が止まってしまうのです。 咽頭が狭くなってしまう理由はいくつかありますが最も大きな原因は肥満です。 中高年の働き盛りの男性の方、仕事の忙しさについつい運動がおろそかになり脂肪分の多い食事やアルコールの取りすぎになっていませんか。 肥満気味が気になり出したら、一度この病気をチェックして見てください。 また扁桃腺やアデノイドの肥大でも起こりますからこの場合は耳鼻科で相談します。

■その4.成人病との関連

呼吸が止まると当然血液の酸素濃度が低下してしまいます。 そうすると血管が収縮して血圧の上昇、心臓への負荷の増大、不整脈の誘発、 血栓の形成といった危険な現象が起こります。これらは高血圧、心臓病、 脳卒中をひきおこす重大な要因となってしまいます。 実際たくさんの閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者さまでの長期にわたる追跡調査でこうした成人病にかかるリスクが2~3倍になることが明らかになりましたし、 重大な不整脈で死亡する危険性のあった患者さまを経験したこともあります。 糖尿病や肥満と同様にこの睡眠中の無呼吸は働き盛りの男性にとって注意しないといけないこわいいびきなのです。

■その5.どうやったら無呼吸の診断ができるの?

まず睡眠状態のチェック!大きないびきに加え呼吸が苦しそうだったり、 止まっていたりしませんか?このような場合は専門医を受診しましょう。 簡単な呼吸モニターの装置で自宅で睡眠状態をチェックできます。 また詳しい検査でもっとはっきりと無呼吸の状態を調べることもあります。 もし睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、専門医とよくしながら適切な治療をうけこわいいびきから身を守りましょう。

■その6.OSASと診断されてしまったら

心配はいりません。鼻マスク法というとっても良い治療法があります。 これは寝る時にマスクを鼻に当てマスクと接続した小型の機械から空気の流れを送りこんで、 その流れの力で狭くなった部分を開く治療法です。 最初はとても抵抗感が強いのですが少しなれるとその効果が大変すばらしいことに気付きこの装置が手放せなくなります。 治療前と治療後の1時間当たりの無呼吸の回数を図に示しました。 治療後は無呼吸の回数がとても減少していることに気がつかれたと思います。 他に入れ歯の形をした歯科装具があります。 この装具をつけて寝ると下顎が少し前方へ出て後ろの咽頭が開いてきます。 マスク法についでよく使用されます。また扁桃腺やアデノイドの肥大は耳鼻科的な手術で切除できますしのど咽頭の入り口を広げる咽頭形成術も有効です。

■鼻マスク法の治療効果

1時間あたりの無呼吸の数

■さいごに

独立行政法人西別府病院おおいた睡眠呼吸センターではこうした睡眠呼吸障害の専門的な検査、 治療をおこなっています。不安のある方はぜひ御相談ください。
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〒874-0840 大分県別府市大字鶴見4548番地 独立行政法人国立病院機構西別府病院 おおいた睡眠呼吸センター
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